成長戦略 FOCUS 2 :
エレクトロニクス

グループ総合力を発揮し
半導体市場の成長を取り込む

国内ではデジタル化の進展と半導体の国産化を目指し、大手半導体メーカーの工場新設・増設が相次いでいます。

当社グループは1980年代から業界に先駆けて、窒素ガス発生装置「V1」で半導体向けオンサイトガス供給を行ってきた実績があります。近年では特に、大手半導体メーカーに向けたオンサイトガス供給の旺盛な投資を継続しています。

また、ガスだけでなく特殊ガス・特殊ケミカルや供給装置、ガス精製・排ガス処理装置、半導体製造装置向け熱制御機器など半導体の生産効率化・技術高度化に不可欠な製品メニューをM&Aで獲得することで、半導体メーカー向けの製品ラインアップを拡充してきました。そのなかで2010年に売上約450億円規模だったエレクトロニクス関連売上は、2022年には2倍以上の約950億円まで拡大しました。

2023年4月には、グループ全体のエレクトロニクス事業を「ガス」と「機器」それぞれの役割を明確にした2つの事業会社に集約・再編し、グループ資源をより有効活用し事業拡大を目指す体制へ移行しました。

今後は、半導体メーカー向けオンサイトガス供給と周辺領域の総合力で、2030年には1,500億円規模を目指していきます。

エア・ウォーターグループのエレクトロニクス向け事業の総合力

長年にわたり半導体業界とともに歩み、
培ってきた強みを活かして
拡大するエレクトロニクス関連需要を取り込み、
着実に成長し続けます

強み 1 : 窒素ガス発生装置「V1」

国内各地のガスセンター
左:広島県、右:長崎県、下:岩手県(建設中)

1980年代に膨張タービンを使用しない革新的な窒素ガス発生装置V1を開発するとともに、業界に先駆けて、ガストータルシステムという、顧客の工場に当社のプラントを建て、ガスの製造・供給・バックアップ・監視・メンテナンスなどトータルサポートを提供し、半導体工場へ窒素ガスを供給するデファクトスタンダードモデルを構築しました。半導体メーカーをはじめとしたエレクトロニクス関連ユーザーを中心に200機以上の設置実績を築いてきました。また、DRAMやCMOSセンサーをはじめとした大規模半導体工場向けでは、競合他社を凌ぐ国内5拠点でのガスセンターによる安定供給のノウハウと実績を保有しています。今後のさらなる半導体製造工場の新増設に対応するためのガス供給プラント投資を加速するとともに、ガス供給プラント製作に不可欠なエンジニアリング体制を強化しています。

強み 2 : VSUネットワークによるバックアップ体制

岩手液酸

半導体製造で必要となる産業ガスをいかなる時にも安定供給し続けています。そのためのバックアップ体制として、全国22カ所に液化ガス製造プラント「VSU」を配備し、エレクトロニクス向けのガス供給を強力にサポートしています。

強み 3 : 半導体製造をトータルサポート強み

特殊ケミカル・供給装置

ガス精製・除害装置

危険物倉庫

ガス供給のみならず、薬品・化学原料などの材料や装置の販売、さらに配管工事からロジスティクスに至るまで、半導体製造をトータルに支援しています。高圧ガスや危険物を取り扱う倉庫を半導体工場の近隣に構え、製造プロセスに必要な材料を調達から供給まで一元管理するほか、工場内に有資格者を配置し、容器交換や材料供給装置の点検業務を一括して請け負う、材料マネジメントサービスを展開しています。

熊本県菊池郡大津町にエレクトロニクス関連事業のグループ複合拠点を新設

熊本県菊池郡において、2024年夏を目途に、エレクトロニクス関連事業に特化した複合事業所を新設します。新拠点には、特殊ケミカルや特殊ガス、基礎化学品を保管する倉庫を設け、伸長する半導体材料需要の獲得を進めていきます。将来的にはガスプラントを建設し、近隣半導体工場へオンサイトガス供給を行うことも視野に入れています。