コーポレート・ガバナンス コーポレート・ガバナンス概要
コーポレート・ガバナンス
当社は、社会的良識に従った公正な企業活動を行い、あらゆるステークホルダーから信頼されることが、企業の持続的発展と企業価値の最大化に不可欠であると考えています。そのためには、内部統制システムの充実をはじめ、コンプライアンスの徹底、リスクマネジメントの強化を図り、ガバナンスの整備に不断の取り組みを行うことが経営の最重要課題であると認識しています。
東京証券取引所が2021年6月に改訂した「コーポレートガバナンス・コード」に関する取り組み内容の一部はコーポレート・ガバナンス報告書に記載し、当社のWebサイトにて公表しています。
コーポレート・ガバナンス体制
経営体制
当社は、取締役会において経営の重要意思決定、業務執行の監督を行い、監査役が取締役会などの重要会議への出席などを通じて、取締役の職務の執行状況などを監査する監査役設置会社です。事業年度ごとの取締役の経営責任を明確化するため、取締役の任期は1年としています。
また、2022年8月に取締役や経営陣幹部の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化するため、独立社外役員が過半数を占める指名・報酬委員会を設置しました。
業務執行体制
当社グループの広範囲にわたる事業領域における的確かつ迅速な意思決定を支える機関として、社内取締役と各事業部門の責任者などで構成する最高経営委員会を、原則として月1回開催しています。最高経営委員会は、広範囲かつ多様な見地から取締役会の付議事項について事前審議を行うほか、当社グループの業務執行に関する重要事項について審議を行っています。
内部統制体制
内部監査については、内部監査部門である「CSRセンター監査グループ」が当社グループにおける法令および社内諸規則の順守状況のほか、業務プロセスの適正性と妥当性について定期的に監査を実施しています。また、財務報告の信頼性と適正性を確保するための内部統制システムの構築および運用状況について監視および監督を行うとともに、その有効性の評価については、代表取締役の責任と指揮のもとで主管部門としての役割を果たしています。加えて、コンプライアンス、保安防災、環境保全および品質保証についてグループを横断的に管理・統制する専任部署として、「CSRセンターコンプライアンスグループ」を設置しています。
エア・ウォーターのコーポレート・ガバナンス体制と特長
取締役会
取締役会は、法令または定款に定める事項のほか、当社グループの経営および業務執行に関する重要事項について決定ならびに報告がなされ、取締役相互の監督および監視に係る機能を果たしています。2022年度は14回開催しました。
取締役の選任について
当社の取締役会は、会社の各機能と各事業領域をカバーするための経験やスキルとして、①企業経営、②財務・会計、③リスクマネジメント・法務、④事業戦略・マーケティング、⑤技術・研究開発、⑥人材マネジメント、⑦グローバル、の7分野を基本にスキルマトリクスを構成し、的確かつ迅速な意思決定のための適材適所の観点から選任しています。取締役・監査役のスキルマトリクスは下記の通りです。
指名・報酬委員会の設置
取締役や経営陣幹部の指名・報酬などに係る取締役会の機能の独立性、客観性と説明責任を強化するため、2022年8月に独立社外役員が過半数を占める指名・報酬委員会を取締役会の任意の諮問機関として設置しました。
指名・報酬委員会の構成
- 取締役会が選任した3名以上の取締役または監査役で構成するものとします。
- 委員の過半数は、社外取締役または社外監査役(いずれも独立役員)とします。
指名・報酬委員会の主な役割
取締役会からの諮問に応じて、次に掲げる事項などの審議、取締役会への答申を行います。
- 取締役の選任・解任案(株主総会付議事項)に関する事項
- 代表取締役の選定・解職案(株主総会後の取締役会付議事項)に関する事項
- 取締役の報酬制度や評価に関する事項
- 後継者計画に関する事項
取締役会の実効性向上に向けた取り組み
社外役員の知見を活かす取り組み
当社は、取締役会における社外取締役の割合を3分の1以上とし、外部の客観的な視点から当社の経営に有益な助言などをいただくことにより、経営監督機能の強化に努めています。また、取締役会議長は、議案ごとに社外役員へ質問や意見を求めており、議論の質向上を図っています。
フリーディスカッション
当社は取締役会終了後に取締役・監査役によるフリーディスカッション形式の意見交換会を実施しており、当社の持続的成長の実現に向けた幅広い議論を行っています。
事前説明会の開催
社外取締役・監査役に対して、取締役会の事務局である「ガバナンス室」が、取締役会の付議議案および報告事項に係る資料を事前に配布するとともに、起案部門の担当者から説明を行い、内容理解の促進や企業価値を高める議論を活発に行っています。
取締役会の実効性評価
当社は、取締役会全体の実効性を向上させるため、毎年、すべての取締役および監査役にアンケートを実施し、外部の第三者機関を活用したうえで、取締役会全体の実効性についての分析・評価を行い、その結果の概要を開示しています。
実効性評価のプロセス
役員報酬
役員報酬の構成
取締役の報酬については、取締役会決議に基づき、固定報酬としての基本報酬、業績連動報酬および株式報酬(社外取締役を除く)により構成しています。
非金銭報酬など(株式報酬)は譲渡制限付株式とし、中長期的な企業価値向上に向けた取り組みや株主の皆さまとの一層の価値共有を促進することを目的として、一定の譲渡制限期間を設けたうえで、当社普通株式を交付しています。また、報酬などの種類ごとの比率の目安は、基本報酬、業績連動報酬、非金銭報酬などそれぞれについて、7対2対1の割合としています。
なお、社外取締役および監査役の報酬については、基本報酬のみとしています。
役員区分 | 報酬等の総額 ( 百万円) | 報酬等の種類別の総額 ( 百万円) | 対象となる 役員の員数 ( 名 ) | ||
---|---|---|---|---|---|
基本報酬 | 業績連動報酬等 | 非金銭報酬等 | |||
取締役 (社外取締役を除く) | 617 | 439 | 128 | 49 | 9 |
監査役 (社外取締役を除く) | 48 | 48 | – | – | 2 |
社外役員 | 85 | 85 | – | – | 7 |
(注)
- 業績連動報酬等として取締役に対して賞与を支給しています。
- 非金銭報酬等は、譲渡制限付株式報酬制度に基づく当事業年度における費用計上額を記載しています。
- 上記取締役の対象となる支給人員には、2022年6月28日開催の第22期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役2名を含んでいます。
後継者計画に対する考え方
当社は、次世代経営幹部候補者の選定・育成と、そのための後継者計画の策定を取締役会の重要な役割のひとつであると認識しています。後継者計画は、短期的な取り組みではなく、長期的・継続的に行われるべきものであり、CEOのみならず、次代を担う経営人材の層を厚くすることが、中長期的な企業価値向上に資するものであると捉え、指名・報酬委員会などを通じて、幅広い議論を重ねています。
政策保有株式の考え方
政策保有に関する方針
当社は、取引先との関係維持、取引拡大ならびに取引機会の創出を目的として、政策保有株式を保有しています。新規取得および保有継続の是非については、保有先企業との取引関係、提携、協業などの協力関係などが、中長期的に当社グループの企業価値の向上に資するかどうかを判断基準としています。
政策保有株式の検証
当社は、個別の政策保有株式ごとに、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか、また、中長期的に当社グループの企業価値に資するという保有目的に沿っているかを精査し、毎年、取締役会において検証を行っています。保有の意義や合理性が認められない銘柄は売却し、縮減するなどの見直しを行います。
親子上場の考え方
当社は上場会社である川本産業㈱の親会社です。子会社の上場には、子会社において「取引先の信用確保」などのメリットがあるほか、両社にとっても、当社が有する医療関連事業会社の全国の販売ネットワークを通じた新規顧客開拓、先進的な医療衛生材料製品の開発やより付加価値の高いサービス提供に向けた相互協力、同社が有する衛生材料・医療用品・介護用品の当社への供給による取扱商品の相互拡充などといったグループシナジーの拡大などが挙げられます。子会社の独自の企業文化と経営の自主性の維持、少数株主の権利の尊重を前提として、子会社を含むグループ全体の企業価値の最大化が図れる場合においては、親子上場は有効な選択肢のひとつと考えています。
リスクマネジメントの強化
当社グループの事業は多岐にわたります。グローバルな視点を含め、リスクの全体像を的確・迅速に把握し、その軽減を図るために、全社横断的なリスクマネジメント体制を整備しています。
リスク管理体制のポイント
- 当社グループの事業活動において特に重要なリスクであると認識しているコンプライアンス、保安防災、環境保全および品質保証に関わるリスクについては、代表取締役の直轄組織である「CSRセンターコンプライアンスグループ」がその統括部門として、グループを横断的に管理
- 情報セキュリティ、品質管理、知的財産および契約などに係る個別リスクについては、それぞれの担当部門を設置し、社内規程の制定、マニュアルの作成ならびに教育研修の実施などを行うとともに、事前審査や決裁制度を通じて当社グループにおける当該リスクを管理
- 「コンプライアンスグループ」を事務局とする「リスクマネジメント検討会」を定期的に開催し、当社グループにおけるリスク管理の状況を把握するとともに、当社グループにおけるリスク管理の強化を推進
- 海外事業については、事業統括部門のグローバルビジネスユニット傘下に新設されたグローバルマネジメント部と連携し、全社的なグローバルリスクを管理
リスクマネジメント体制図
コンプライアンスの徹底
コンプライアンス体制
コンプライアンスに係る管理組織体制としては、当社グループにおけるコンプライアンス上の問題を一元的に管理する統括部署として代表取締役の直轄組織である「CSRセンターコンプライアンスグループ」を設置し、取締役または執行役員もしくは理事の中からその責任者を任命しています。また、各事業グループの中にコンプライアンスの責任担当部署を設置し、CSRセンターコンプライアンスグループと緊密な連携を図ることで、傘下のグループ会社も含めたコンプライアンス体制の強化を図っています。
エア・ウォーターグループ倫理行動規範
当社およびグループ会社の役員、従業員が法令などを順守し、社会倫理を尊重した行動を実践するための行動指針として、「エア・ウォーターグループ倫理行動規範」を制定しています。この倫理行動規範については、その内容と違反事例などをわかりやすく解説した「コンプライアンスハンドブック」を制作し、全グループ従業員に配布することにより、周知啓蒙を図っています。
コンプライアンス委員会
当社は、関連部門が集まりコンプライアンス問題を協議する諮問機関として、コンプライアンス委員会を設置しています。代表取締役から示されたコンプライアンスに関する方針・指示事項についての具体的施策などを検討するほか、コンプライアンス違反発生時における対応についても協議します。2022年度は同委員会を2回開催し、当社グループにおけるコンプライアンス上の重要事項について協議しました。
内部通報制度
当社は、コンプライアンスの実効性を高めるために、内部通報制度を設けています。法令および社内諸規程に違反、または違反のおそれがある行為を認識した場合には誰でも通報することができます。通報窓口は社内と社外に設け、通報者には不利益な扱いをしないことを定めています。また、こうした内部通報制度における「ホットライン」の連絡先については、「コンプライアンスポスター」をすべての事業所に掲示することによって、グループ従業員一人ひとりの目に留めてもらうなどの方法で周知徹底を図っています。
2022年度の内部通報件数は33件で、当社事業に重大な影響を与える事案はありませんでした。