成長戦略 進化するグループ一体経営

当社グループは2022年4月にエア・ウォーター本体組織とグループ会社群が一体となったユニット経営に移行しました。今後さらなる成長に向けて、グループ経営資源の全体最適化を加速するとともに、グループ会社の自律的な成長を促すため、このユニット経営を、当社と各事業領域で中核的な役割を担うグループ会社が一体となったグループ経営体制に進化させてまいります。

グループ会社の自律的な成長が
全体成長の原動力に

当社は2000年以降、累計245社を超えるM&Aによってさまざまなバックグラウンドを持つ企業をグループに取り入れるとともに、各社の事業運営における独自性を尊重したグループ経営を行っています。
多様な事業領域を擁し、売上収益1兆円の企業規模となった現在、グループ会社の自律的な成長こそが当社グループ全体の企業成長を牽引していると言っても過言ではありません。

2022年度連結業績のうち、営業利益10億円以上の中核会社23社が占める割合

グループ会社の統合再編により中核会社を形成

グループ会社の自律的な成長を促すためには、各社が業界内での存在感を高めるとともに、戦略的な設備投資やM&A、他企業などとのアライアンスを実現しやすいように、一定以上の企業規模とすることが重要です。
そのため、当社グループでは、年間の営業利益が10億円を超える規模の企業を「中核会社」と定義し、各事業領域で中核会社を形成するべくグループ会社の統合再編を進めてきました。

これまでに実施した主要な統合再編

統合再編時期事業領域統合再編により誕生した中核会社
2020年10月地域事業会社エア·ウォーター北海道㈱
エア·ウォーター東日本㈱
エア·ウォーター西日本㈱
2021年10月機能化学品エア·ウォーター·パフォーマンス·ケミカル㈱
加工食品エア·ウォーター·アグリ&フーズ㈱
2023年4月半導体向け産業ガス・特殊ケミカル
半導体関連機器装置
エア·ウォーター·エレクトロニクス㈱
エア·ウォーター·メカトロニクス㈱
LPガス(北海道)エア·ウォーター·ライフソリューション㈱
2023年7月医療機器·介護用製品エア·ウォーター·メディカル㈱
2023年10月エアゾール·注射針エア·ウォーター·リアライズ㈱

ユニット制の導入

当社は、グループ会社の自律的な成長を軸としつつ、経営資源である多様な事業・人材・技術のシナジーを生み出し、グループの総合力を発揮するための経営体制の構築に取り組んでいます。その基盤となる組織戦略として、2022年4月に「地球環境」と「ウェルネス」という2つの成長軸のもとに、多様な事業領域を4つの事業グループに統合再編するとともに、新たに「ユニット制」を導入しました。なお、ユニット制を導入した狙いについては、CEOメッセージCEOメッセージをご参照ください。

(2023年10月現在)

※1 13ユニットのうち、7ユニットの長がM&A会社の出身者であり、これらのユニット長は傘下の中核会社となるグループ会社の社長を兼任(一部は社長経験者)しています。
※2 ユニット制の導入に先立ち、技術開発、エンジニアリング、ガスプロダクツの機能およびDX推進、物流改革について、グループ横断的に推進を行う組織を設置しています。

本体管理部門の革新と
グループ全体での人材流動化を目指す

さらに、当社グループ経営において今後の課題として挙げられるのが、本体管理部門によるグループ会社管理の高度共通化と、人材の流動化です。経営資源の最適配分を図り、各社の事業成長を後押しするには、管理レベルを高い次元で共通化することが不可欠です。また、グループ会社の経営を担う人材についても長期を見据えると後継者不足の懸念があるため、グループ内での人材流動化を図り、次世代経営者を育成することが喫緊の課題となります。

※本体管理部門:エア・ウォーター本社管理部門

中核会社によるグループ一体経営へ

2023年3月31日現在の連結子会社142社のうち、営業利益10億円以上の「中核会社」は、現在23社ですが、今後、さらなる統合再編を進め、30社前後まで増やす方針です。
ユニット制を軸に、中核会社自身の事業運営の独自性を保ちながら、企業経営の骨格をなす経営資源(人材・資金・技術)と中核会社の成長を支える共通基盤(BS管理・DX・物流)については、当社本体と中核会社を一体的に運営管理し、グループ経営資源の全体最適化をはじめとした成長戦略を実現してまいります。